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漆喰とは【前編】
富沢建材株式会社
冨澤英一

漆喰とは

 漆喰とは、消石灰を主原料に糊と繊維を添加した壁材のことを言います。
 それぞれの素材を説明しますと、まず主原料の消石灰とは石灰石を900℃前後で焼いて生石灰にし、それに適量の水を掛けて粉末状に、又は、多めの水に浸してクリーム状にしたものをいいます。
 添加材の糊とは主に北海道日高などで採れる黒銀杏草(くろぎんなんそう:海草)などを、鍋に水を張り、沸騰させずに大方溶けるまで煮込み、茎や筋の固い部分を取り除いたドロドロネバネバ状のものをいいます。粘着性と施工性を高める為のものです。

アサスサ(麻の繊維)
角又糊(つのまたのり)黒銀杏草(海草)
角又糊 黒銀杏草(海草)
アサスサ(麻の繊維)

 繊維は漆喰の場合、麻の繊維を細かく揉みほぐし15㎜前後に長さを揃えたものを使います。ひび割れ防止のツナギとしてや、石灰が硬化する為に欠かせない保水の役目をします。
 その3種類の素材を混ぜ合わせたものを漆喰といいます。漆喰材料の種類としては、自分で素材から加工して作る現場調合漆喰と、袋入りの粉体で全て調合済の水を加えて練るだけで漆喰が出来るプレミックス商品、予め練り込んで直ぐに使える練り込みタイプの商品があります。
 全て天然素材の原料を配合し作られている物が主ですが、中には化学製品を配合したものも有るので確認をされた方が良いでしょう。

漆喰の歴史

 その歴史は古く、はるか5000年を遡ります。古代エジプトのピラミッドの壁やギリシャ、ローマ時代の建物にも使われ、アジアでは中国の万里の長城にレンガを積む石灰モルタルとして使用されました。古代ギリシャ時代から近代ヨーロッパへと継承されてきたフレスコ絵画の伝統も、漆喰の材料と技術の精髄といえるでしょう。

イタリア壁 (アルベロベッロの街)
イタリア壁 (アルベロベッロの街)
イタリア壁
イタリア壁

 日本では1300年前の、奈良時代、平安時代からあり、セメントが無い時代に高級建材として特定の建物に使用されていました。海草糊を使用する独特の工法が開発され、日本の建築文化を長い間支えてきました。
 特に普及したのは江戸時代で、江戸や地方でも幾度となく起きた大火に備える為でした。住宅の密集に伴い防火の意味で一般の建物にも大いに奨励され広く使われるようになったのです。漆喰壁は大事な財産を守る為の手段でした。そして明治維新後もレンガ造や木摺りの上に何層も塗り重ねる本漆喰の工法として、洋館造りの内外装に使用されました。
 セメントが登場したのはわずか150年前、新建材に多様される化学樹脂系の材料に至っては数十年の実績しかありません。漆喰が5000年の歴史を持っている事は、まぎれもなく素晴らしい本物である事の証明です。

石灰とは

消化した石灰
消化した石灰

 主原料の石灰とは、先ず原料の石灰岩は、かつて大量のサンゴが生息していた海が隆起して石灰岩となったもので、すべて国内で採取出来る純国内資源です。それを焼成して作られる消石灰の用途は広く、あらゆるものに無くてはならない素材です。
 重工業の世界では鉄を作るのに使われています。純度の高い鉄を作るため炉の中に石灰を投入し不純物を分離させる役割を果たしています。水と空気を守る大事な役目として、石灰は上下水道の水の浄化処理やゴミ焼却で出る有害物質の除去に使われています。
 一般的に身近なところでは食品用の砂糖の精製、こんにゃくの固化剤、チューインガムのベース、ソーセージやゼリーの形状強化などに使われています。また、石灰の持つ吸湿性を利用して乾燥材や吸湿剤として、水と反応して発熱する特性を利用して、お酒やお弁当などの加温材としても使われています。
 そして暮らしに重要な役割として、医療の分野で歯科材料や人工骨、錠剤の成型、ギブスの材料など、その他、消毒や防疫など細菌による感染症予防にも大きな効果を発揮しています。最近では鳥インフルエンザなどのウイルス伝染病予防にも使用され、予防対策と同時に嫌な匂いを抑える防臭効果も発揮しています。
 更に石灰の特徴として空気中の二酸化炭素(CO2)を吸って石に戻っていく性質があり,強固な壁をつくることが出来ます。漆喰を使って何百年も経年した建物が国内外に多く現存していることでも分かると思います。その石灰を主原料としている漆喰の壁は、耐久性、防火性、調湿性、防カビ性、抗菌作用を併せ持つ快適な室内環境を作る、とても優れた建材だといえるでしょう。
 石灰は環境にやさしい地球を守るアルカリ資源です。そして何よりCO2削減に役立つ性質であることは、これからの環境問題に多いに貢献できる素材といえるでしょう。

漆喰とは【後編】に続く

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プロフィール

富沢英一氏

創業以来の高品質な商品販売の経験を生かし、健康住宅、自然素材の建材を主体に営業を行う、自称「石灰と土のソムリエ」。全国の名工を招いて左官の伝統工法を学ぶ「土壁・漆喰技術講習会」を定期的に開催。左官の原点回帰を促し、自然素材の魅力を訴える活動を広く展開している。左官(とグルメ)のマニアックな話題が満載のblogも好評。

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