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住まいと暮らしのお役立ちコラム

家族の成長に合わせて変化する家
(子育て編)
上條 美枝 (一級建築士)

 小学生の頃、学校の廊下は節だらけの板張りで、掃除の時間には、ぞうきんで水拭き、乾拭き、時には艶が出るようにと牛乳拭きもした。その甲斐あって、床板はつやつやし、年期を感じさせる深みのある表情を出していた。子供には大変な作業だったけれど、手をかけて大切に扱うと、新しいものにはない美しさが出てくるのだなー、というようなことを子供心に感じたことを覚えている。
 近頃は、メンテナンスフリーを歌い文句にした、つるつるピカピカの家が多くなってきている。確かに、メンテナンスにはお金と時間がなるべくかからない方がよい。建てた時はきれいだったけど、すぐにまた高い修繕費用がかかるなんて、だまされた気になる。だからといって、何年経ってもつるつるピカピカの新建材の家は、本当に素晴らしい?・・・・私はなんだかそんな家が立ち並ぶ街並は、いつまでも殺伐としているような気がする。  

 数年前、幼い子供が3人いる若いご夫妻に家の設計を頼まれた。家族にとって待望の家づくりであるが、これから先のことを考えるとできるだけローコストに押さえたい。ローコストで満足のいく家を建てるためには、家族にとって本当に何が必要なのかを考え、余分な欲望をそぎ落としていく必要がある。テレビコマーシャルなどでは、欲望を寄せ集めた生活イメージが繰り返し流され、そういった媒体から刷り込まれたイメージに振り回されがちな人々も多い。幸いなことに、このクライアントはそういったものに流されず、現在の彼等の生活スタイルに合わせた空間構成を持ちながら、家族と共に変化し成長可能な家、変化にたえられる強度 (空間的、素材的) をもつ家を建てようという私の提案を、快く受け入れてくれた。
 具体的に取った方法は、内部建具や仕上げなど、そぎ落とせるものは極力無くすこと。梁や壁、天井の構造をそのまま表に出し、仕上をしないことでコストを抑え、その分、天井の高さに変化とゆとりをもたせることにした。

 1階は、家族の出入りがどこにいても見渡せる、間仕切り壁や柱、建具等がほとんど無いワンルーム型の空間となり、2階には、天井の高い空間を利用した、お父さんがアイデアを出した空中ベッドと、隠れ部屋兼小屋裏収納を設けることができた。
 今後は、家族の成長に合わせ、建具を入れ独立した空間をつくったり、下地が露出したままの壁に仕上げをしたり、手を加え工夫しながら生活していってくれるであろう。家族も家も、個性的に成長していってくれたらうれしい。  

 愛情を注がないとぐれちゃうよ。
 子供はもちろんだけど、これは家も同じ。放っておいたり、せっかくの能力 (空間) を活かしてあげなかったりすると、あっという間に朽ちてしまうのではと思う。
写真はクリックすると拡大します。
隠れ部屋への入口
空中ベッド
一級建築士
長野県生まれ。東京理科大学大学院修士課程修了。伊東豊雄建築設計事務所を経て、上條美枝建築設計室主宰。株式会社RING ARCHITECTS 代表取締役。
上條美枝建築設計室
協力:(社) 東京建築士会
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