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住まいと暮らしのお役立ちコラム

【心地よい狭さとは?】


 今回も前回のナットクコラム「身近な寸法の話」に引き続き「寸法」をテーマにお話をしたいと思います。ダイニングテーブルを例にして「暮らしにあったサイズ=使い勝手の良い自分のサイズ」であり、日頃から自分サイズを知ることが大切だということは前回のコラムでよく判りましたね。では更に話を広げて今回は「狭さ」をテーマに自分サイズのスペースや空間について考えてみましょう。

●子供の頃、どこで遊びました?


 突然ですがみなさんは子供の頃、押入れやロフトのような狭いスペースに入り込んで遊んだ記憶ってありますか?私は懐中電灯を持って押入れに入り込み、友達と2人でわざと狭くて暗いスペースの中、懐中電灯の明かりで遊んだことを覚えています。なにもそんなに狭いところに入らなくても…と思うのですが、小学生低学年程度の体の大きさだと押入れの中段の広さがなんとも心地よく、そこは秘密基地になったり、おままごとでは子供部屋になったり。いろいろな設定で押入れを使った思い出があります。
 また先日、あるお宅へ遊びに行った際、そちらの家族の5歳になる息子さんが、僕の基地を案内してあげる、とロフトへの階段を手をとって案内してくれました。子供部屋として使っているロフトの三角屋根が傾斜して一番狭いところにダンボールで作った彼の基地がありました。彼は大人では入っていけない狭いところにすっぽり入って、ダンボールの基地を自慢げに見せてくれました。彼の楽しそうな顔をみて、子供の頃、なぜか狭い場所はワクワクする遊び場になっていたことを思い出しました。でもこの感覚は子供のころだけでしょうか?大人になっても狭くてしっくりくる、なぜか居心地が良い場所ってありませんか?なかには閉所恐怖症の方もいらっしゃるので一概には言えませんが、程よい狭さがなんだか落ち着く、心地よいスペースと感じることってあるように思います。

●狭くてもいいから?


 住まいづくりナビセンターでご家族の新しい住まいの要望を伺っていると時々、「狭くてもいいから独立した書斎が欲しい」とか「狭くてもいいから家事コーナーが欲しい」といった意見を聞きます。「狭くてもいいから~」は限られた条件の中で贅沢なことは言えない、という家族への配慮が感じられる発言ですが、はたしてこの場合の「狭くてもいいから」の狭さはどの程度を想定しているのでしょうか。また「狭くてもいいから」は、なんだか少し後ろ向きな発言に感じます。しかし、ここでほんのちょっと気を付けるだけで「狭くてもいいから」は「狭くても良い空間」に変わるのです。
 例えば平面的に同じ広さでも、天井の高さが違うだけで「違う質」の空間になります。窓の開き方やそこからの眺めの違いも閉鎖的と感じるか、開放的と感じるかという感覚の違いに影響します。具体的な例を挙げると、天井高さを制限されるロフトスペースを書斎とする場合。天窓をつけると、実際の天井の高さは低くても、視界が空へ伸びるので、低さの感覚を低減することが出来ます。また、椅子ではなく、床座にして全体の視線を下げると更に広さを感じると思います。このようなテクニックについては以前のナットクコラム「狭さをどうクリアする?」も参考にしてくださいね。

●私が出会った狭くても心地よいスペース

 心地よいと感じる広さや空間には個人差があると思います。ここで最近私が出会った狭くても心地よいスペースについてお話をしたいと思います。
 それは、とある設計事務所の個人ブース。間仕切り代わりにカラーボックスを横使いし積み重ねて作った個人の作業スペースは、狭くてなんとも心地よく集中出来るのです。天井の高さは一番高いところで200センチ、そこから一番低いところで170センチの高さまで緩やかに弧を描いて下がっています。身長160センチの私は立ってもさほど圧迫感を感じません。北側斜線による高さの制限で出来た低い天井ですが、椅子に座ると、この低さがとても落ち着くのです。また、机から後ろに積まれたカラーボックスまでは67センチで、立つ時はやや狭いのですが、こちらも座ると囲われた感じが「心地よく、しっくりくる狭さ」です。平面的なスペースを数字にすると横巾170センチ、机を含めた奥行きが145センチで面積は2.46m²、帖数だと約1.5帖程度の狭い空間です。


 しかし、ここには狭くても閉鎖的だと感じさせない理由があります。それは3方向は囲まれているのですが、1方向は広くて通常の天井の高さのスペースに接しているからです。4方向が同じように閉じられていたら、それは狭くて閉鎖的で居心地の悪い空間に変わってしまうでしょう。視線の広がる部分を作り、程よく囲むことが「心地よい狭さ」の第一歩かも知れません。これは一例なので、みなさんも自分に合った寸法を参考にご自身にとって狭くても居心地が良い空間を考えてみて下さいね。
天井の高さが低くても、椅子に座って使用する場合、座った状態で心地よい高さが、あなたにとって程よい狭さでしょう。

 家具などの寸法を測り、知っておくことと同様に「自分サイズの空間を知る」ことも大切なことです。日ごろから「落ち着く」「居心地がいい」「集中できる」といった感覚を持ったとき、そのスペースが実際にどんな広さなのか、高さなのかを測ってみましょう。またそれらは広さや高さだけが作り出すものではありません。窓の位置や大きさ、そこから見える風景や使っている素材などもそれらの印象や感覚に影響します。気がついた時に写真に撮っておく、さっとスケッチを書いてみるなど、どんな印象のスペースが自分にとって心地よいのか把握しておくと、いざ、ご自身の住まいについて考えたとき、「狭くてもいいから」ではなく「狭くても居心地の良い」スペースを実現することが出来るのではないでしょうか。


[住まいのナビゲーター 田中 哉子]
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