規格住宅を知っていますか?
- 2022年5月24日
- ナビコラム
今回は最近よく耳にする「規格住宅」についてお話ししたいと思います。
「規格住宅」といっても、公的に定義されていないため、説明するのは大変難しいというのが正直なところです。『建築大辞典』には、「住宅を大量に建設し供給するために、一般的住要求に応じて何種類かの標準の型を定め、それによって建設される住宅」とありますが、どんな家なのかイメージしにくいですよね。
一般的には、住宅メーカーや工務店などが用意した一定の仕様に従って建てられる住宅のことを「規格住宅」と呼ぶことが多いようです。
「規格」には、有名建築家・設計事務所がプロデュースしたデザイン性を重視したものもあれば、可能な限り最少化・標準化して低価格を追求しているもの、省エネ性能や耐震性能など住宅性能を重視したものなど様々です。
住まい手が何を求めるのかをある程度明確にして選んでいくことが大切です。
特に最近多いのは、間取り、デザイン、性能をいくつかのパターンから選択するシステムの注文住宅です。この「選ぶ」という作業が、依頼主の要望を満たし、満足感を高めることにもなっているようです。
では、「規格住宅」のメリットは何でしょうか。
工事期間が短い、価格が抑えられる、一定の品質・性能がある、などが挙げられます。
また、多くは間取り、外観、設備などを、決まったメニューの中から選んで組み立てていくシステムなので、完成形をイメージしやすく、完成した時とのイメージのギャップが少なくできるという点もメリットとして挙げられます。
工事をする側から見ると、基本となるプランを準備しておくことによって、打合せの時間や経費の削減が図れる上、建物の品質や性能を維持したまま、使用部材を規格化することにより、材料等のロスをなくし、さらに普及品を採用することで工程を少なくし、コスト削減に繋がるため、結果として価格を抑えて供給することができるようです。
以上のことが、教育費の負担が大きい子育て世代や、初めてマイホームを持とうという人にとって、人気の要因になっているのかもしれません。
では、デメリットは何でしょうか?
1つ目は、間取りに対する自由度が低いということです。「ご希望に合わせて〇タイプの間取りをご用意しています」と謳っている場合もありますが、その多くは、出入り口の位置や水回りの位置が異なるだけで、間取りそのもののバリエーションは少ないようです。
2つ目は、標準の間取りが「夫婦+子2人の(30代)4人家族」を想定したプランが多く、それ以外の家族構成には対応しきれない場合があります。
3つ目は、標準の間取りで建てられる土地が必要です。狭小地や特殊な形状の敷地には対応できない場合があります。
若い世代に人気の「規格住宅」は、その特徴とメリットとデメリットをしっかり理解した上で、希望する暮らしの実現が可能な場合には、具体的に検討してみるとよいでしょう。
住まいのナビゲーター
松本亜古
次回のナビコラムもお楽しみに♪
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