使って便利実感!の住宅設備 その1
- 2020年5月19日
- ナビコラム
~ビルトイン型食器洗浄機~
紺屋の白袴、と申しましょうか、
住宅の設計を仕事にしつつも、長年賃貸住宅住まいをしてきた当家ですが、
一昨年空き家になった実家に戻ることになり、ようやく自分の住まいを設計する
という機会を得ました。
リフォームに際しては、今までお客様にお勧めしてきたり、ご要望があって設置したり
してきた住宅設備を実際に採用し、使ってみて、こんな便利なことがあるんだなと
改めて感じた点がありましたので、お伝えしてみたいと思います。
今回は、最近ではキッチンへのビルトインがほぼ標準になっている
「食器洗浄機(食洗器)」です。
食洗器には、幅が45㎝のものと60㎝のものの二種類がありますが、
お施主さんから特に要望がない限り、とある海外メーカーの幅60㎝タイプを
お勧めしてきました。
この食洗器には、お値段や設置の面でややハードルがあり、
使い勝手にも若干クセがあるのですが、お勧めして来た責任上、
がんばって自宅にも採用してみました。
使ってみての感想ですが、やはりいい、の一言です(笑)。
当家は家族3人で、食洗器を廻すのは一日一回というペース、
鍋釜類も食洗器で洗いますので、60㎝タイプでも一杯になってしまうことも。
45㎝タイプだと、食器を入れるのに毎回パズルを解くようになってしまう、
という声を聴いていましたが、正に実感。
そこで時間を取られるのは便利家電としては本末転倒ですので、
「大は小を兼ねる」で正解でした。
・・・もっとも「みっちり入っていない食洗器を廻す」という罪悪感?
(実際には水量は食器の量によって自動で調整されます)に打ち勝つ必要はあります(笑)。
ただ、採用に当たっては注意点もありますので、そちらにも触れておきましょう。
まず、キッチンカウンター全体の長さ(間口)の問題です。
一般的にI型(*)のキッチンでは間口寸法を2m40㎝、あるいは2m55㎝とされることが
多いと思いますが、収納やシンク等のレイアウトとの兼ね合いを考えると、
2m40㎝ではバランスが悪くなりがちなので、注意が必要です。
私は間口2m70㎝で提案させて頂くことが多いです。
ちなみに我が家のキッチンはⅡ型(*)で、カウンター長さはシンク側が2m20㎝、
コンロ側が4m20㎝(!)です。
(*)キッチンレイアウトの例
使い勝手としては、扉が前にパタンと倒れるフロントオープン式のため、
通路幅に注意が必要です。
また、ヒーターによる乾燥機能が付いておらず、余熱での乾燥となるため、
お椀等の高台部分に水が溜まるという弱点がありますので、「カラッと乾く」ことを
重視される向きにはお勧めできません。
キッチンの設計には、こういった機器一つ一つの選択と全体のレイアウトが密接に
関わってきます。
逆に、機器の選定を考える中から、ご自身の家事スタイルや家族とキッチンのかかわりが
見えてくる部分もあります。
是非こだわって選んでみてくださいね!
「使って便利実感!の住宅設備 その2」では衣類乾燥機についてお伝えします。
お楽しみに。
住まいのナビゲーター
一級建築士 金山 眞人
次回のナビコラムは
住まいのナビゲーター 松江 真理さんの「日本の住まい欧米の住まい その1」です。
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